埼玉県医師育成奨学金に応募してみた
医者になるには金が要る。
ある日、娘が神妙な面持ちで言いに来た。
「医学部受験して良い?」
・・・い、医学部??ヤツが小さい頃から憧れていたことは知っている。
なんなら、やっと座れるようになった頃から、手術シーンにかぶりつきの子ではあったし、救命医に憧れているのも知っている。
でも、
「医者になりたかったけど、自分には無理だし。ねぇ。」
と、さんざん悟ったように言ってたではないか。
それを今更、「医学部を受験したい」なんですか?!
驚愕。ドン引き。
だって、我が家はお金持ちではないのだもの。
庶民の我が家にとって医学部はもう雲の上より遥かに遠~~い。
”国立にストレートで入るよ!”という気概があるならともかく、
ヤツは、のっけからそんな気はない。
いや、むしろ、私大にしか興味がない。
こんなにかかる医師になるために必要なお金
医者になるにはお金がかかる。
それもめっぽうお金がかかる。
(・・・超優秀で国立大学の医学部にストレートで入れるならば話は別かもしれないが。)
入学試験の受験料でさえ、私立の場合、他の学部の倍程度かかることが多い。
(例:医学部受験6万円~、 他学部3万円程度~)
学費も、国立なら6年で約350万円だが、私立となると桁が変わる。
最も安い国際医療福祉大医学部でさえ、6年間で1910万円。
高いところだと4700万円を超える大学もある。
(参考:医学部受験マニュアル https://www.med-pass.net/rank/hensachi/)
そして、当然、学費以外にも色々とかかるから、プラスアルファの費用が色々と乗ってくる。
娘の知り合いのところでは、医学部に入学してから医者になるまで約1億かかったそうだよ。
ひえ~。
お金のことで不安いっぱいの私に、
「お金を返さなくていいかもしれない奨学金制度があるんだよ~。」
と娘は耳打ちしてきた。
それは、、、
『埼玉県医師育成奨学金制度』のことだった。
埼玉県医師育成奨学金
埼玉県に限らず、各自治体には医師になるための奨学金制度があるところが多いようです。
よ!庶民の味方、奨学金!!
ただ~し。
希望できる科は、人が足りないところに限られる印象です。
(具体的には、小児科、産婦人科、救命)
が、特筆すべきは、この奨学金、一定の条件を満たすと、返済免除になるのです。
(ざっくりいってしまうと、9年間、埼玉県の指定医療機関で働くとチャラになるそうだ。)
※詳細については、ググるか、こちらで見てください。↓
なるほど、こういう手があったのか・・・
そこで、「応募してみよう!」と動き出すことになりました。
(ちなみに、令和2年は7月に募集がある様子。
詳しくはこちらをどうぞ
我が家は、この制度に気付いたのがわりと遅かったので、
バタバタと小論文を書き、必要書類を揃えて、ギリギリの応募になりました。
通常郵送なのでしょうが、近所の大きな病院でも受け付けていたので、直接書類を持ち込むという荒業(いや、正式に認められている方法ですが)でした。
どのくらいの倍率なのか、全くわかりませんが、とりあえず、書類審査を通り、
二次選考である面接の日を迎えたのでありました。
実際に面接で聞かれたこと
7月中に応募した書類選考に通ると、面接選考が待っています。
面接当日は、数十人ずつ、時間差で会場に呼ばれたようです。
(あくまで詳細は不明です)
面接のセッティングや状況
・4人の応募者に対して面接官4人
・人の入れ替わりや、受験番号の状況から、書類審査の応募人数は、約90人くらいだったのではないかと想像している。
面接で聞かれたこと
・なぜ医師になりたいと思ったのか
・この制度に応募した理由
・会場までどうやって来たか
・医師になって一番大変だと思うのはどんなことか
・埼玉県以外で働きたいと思ったらどうするか
・他の科に行きたいと思ったらどうするか
・どの科を志望しているか(救命・産婦人科・小児科)
・高校時代に大変苦労したのはどんなことか。またそれをどう乗り越えたか。
(以下、挙手制で全員答える)
・最近の気になるニュースについてあなたの考えはどうか
・簡単な自己アピール
面接では、娘と同グループだった他のかた全員が、
・ひとり親家庭でもどうしても医師になりたい
・こどものころに大病を患った経験から医師になりたいと思った
など、面接官の心を揺さぶる熱い気持ちを披露されていたそうです。
単純に医師に憧れていただけの娘は
「これは勝てないな・・・終わった~」
と内心思っていたそうな。
その他
あくまでも、聞いた話や印象を付け足すと・・・
この奨学金に関しては、『僻地医療の人材確保』という側面があるようです。
埼玉県の場合には、島がないので、僻地と言っても陸続き。
「島に行かずに済む!」というのは、メリットに感じる方が多いようで、
埼玉県以外からの応募者もいるようです。
また、募集人数に対して15人程度の合格者がでますが、補欠にも番号が振られます。
医師奨学金を確保したところで、医学部に合格しなければ使いようがないですからねえ。
(我が家の娘は、補欠の一桁番でしたが、繰り上がった旨のご連絡を頂きました。)
当の娘はどうなったかと言うと・・・
あんなに「救命医になりたい!!」と言ってたのに、結局医学部は受験しませんでした。
「無理だ」と諦めたというわけではなく、単純に興味がしぼんでしまって、他にやりたいことを見つけてしまったから。
もちろん、医学部はどこも難関で、受験したとしても合格したかどうかはわかりません。
が、まあ、とどのつまり、医師という仕事には縁がなかったのでしょう。
・・・ということで、親としては妙にホッとしてしまったのでした。
(現在の娘はとある大学の理系学生として、あらたな夢に向かっています。)
さて、つらつらと綴ってきましたが、情報を探しているどなたかのなにかの参考になれば幸いです。
(娘のときには全然情報がない中、手探りで対応していましたので)
おしまい。
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